強気過ぎる営業マン -宅建士同行体験談1-

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握手

基本、宅建士は契約締結前に重要事項説明を行うだけの仕事だが、営業マンに同行していると様々な場面に遭遇する。

これはそんな場面の一つ。

 

もう何年も前、宅建士(当時は宅建主任者)として、顧客との契約締結に営業マンに同行した時のことである。

商品は投資用マンション、場所はとあるファミリーレストラン内で、顧客と営業マンが待ち合わせをしている。

営業マン:「○○さん(私のこと)、すみませんが今からもう少し話を詰めますので、少し離れた席に座って待っていてもらえますか?」

自分:「えっ?大丈夫なの?今日決められるの?」

営業マン:「大丈夫!大船に乗ったつもりで待っていてください!」

自分:「・・・(そういうのが一番心配なのだが..)」

しばらくして、少し声が大きくなった営業マンの話す内容が聞こえてくる。

それに対して、客の声はかろうじて聞こえるほど小さい。

営業マン:「××さん!この前一度OKしたことを何でひっくり返すんですか!男らしくないですよ!!」

客:「いえ..、この前は良いと思ったんですが..」

何だか怪しげな雲行きである。

営業マン:「最初に良いと思ったことが正しいんですよ!やりましょうよ!!」

客:「しかし..。」

営業マン:「××さん!!この前、孫が生まれたんでしょう!こんな優柔不断で孫に対して恥ずかしくないのですか?!!」

よくわからん理屈だが、なぜか持ってかれてしまう妙な強さを感じる(笑)。

営業マン:「さあ!ペンを持ってください!サインをしましょう!!」

客:「・・・、分かりました..。」

その後、私が呼ばれ重要事項説明をして客はサインをした。続いて契約締結も終わった。

最後に営業マンが客に右手を出し、力強く握手をした後、客を入り口まで見送った。

 

自分:「△△さん(営業マン)、さっきの営業の仕方はちょっとまずくないですか?」

営業マン:「なぜですか?私は脅迫はもちろん、強制のようなことも一切言ってないですよ!」

自分:「それはそうですが、後でクレームになるケースもあるので、注意してくださいね。」

営業マン:「大丈夫ですよ!納得して最後に握手までしていたじゃないですか!全く問題無いです!!」

自分:「・・・」

確かに脅迫や強制とは言えないかも知れないが、一切有無を言わせぬ調子というのは確実にある。

投資マンションのような商品を売る営業マンは、余程自信家でないとやっていけないのだろうというのは良くわかった。

 

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