客にプロポーズする営業マン -宅建士同行体験談2-

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客にプロポーズ

宅建士は通常、契約締結前に重要事項説明を行うだけの仕事だが、営業マンに同行していると様々な場面に遭遇する。

これもそんな場面の一つ。

 

もう何年も前の話。

ある営業マン(と言っても役職がかなり上の方)に同行し、女性客にワンルームマンションを契約して頂くことになった。

独身女性でワンルームを購入される方は意外と多い。

確率的に女性の方が、将来に備えて貯金される方が多いと思われるため、資産形成の手段として選ばれたりする。

また、結婚するまでは自分で済み、結婚後は人に貸す方も少なからずいる。

オートロックで駅近の物件が多いので、セキュリティ面でも安心できるのだろう。

それならば、借りるよりも買うという話も良く聞く。

 

この日、お会いした方もそうかと思ったが、例によって契約直前に迷いを見せ始めた。

客:「本日の契約ですが、一旦白紙に戻すことはできませんか?」

営業マン:「どうしたんですか?」(満面の笑みで)

客:「やはり、色々と考えるとちょっと不安になって..。」

営業マン:「あ~、皆さんそうなんですよ。話を聞いているうちは良いけれども、いざ購入を決めると色々と考えだしてしまうんですよね。」

客:「そうなんです。やはり35年もローンを組むというのは不安で..。何があるかわからないし。」
※20~30代の方が、投資用マンションを購入する場合、大抵35年ローンを組む。
月々の返済が押さえられ、家賃収入との差額が小さくなるからだ。
低金利で賃料の高い場所だと、黒字になるケースもあり得る。

営業マン:「確かに高額なお買い物だし、ローン期間が長いですからね。」
※表情に真剣味は増しているが、イライラやあせりは一切出さないのはさすがベテラン。

客:「それで、一旦頭を冷やして考え直そうかと..。」

営業マン:「ご心配になるのはごもっともですが、それには及びませんよ。」

客:「どうしてですか?」

営業マン:「私が貴方を35年間、いや一生お守りするからです!」
※プロポーズかと(笑)

客:「えっ?!・・・」
※絶句している。当然か..。

営業マン:「なので安心してお任せください!(満面の笑みで)

結局、客は落ちた(笑)。

私だったらここまではとても言えない。

売れる営業マンはプロポーズのようなセリフもさらっと吐いてしまう。

もっとも、この営業マンはそこそこいい男であったが..。

この営業マンは在籍する会社共々、未だに頑張っているらしい。

その女性客は今も守られていることだろう。

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