宅建試験の難易度
宅建の試験は難しいですか?難易度はどれくらいですか?
とは良く聞かれますが、いつも答えに困ります。
宅建の場合は人によって感じる難易度の差が特に大きいように思われるからです。
どの資格試験でもそういった傾向は多少あります。
しかし、宅建の場合は下記の通り、まず受験者層のばらつきが特に大きいです。
【宅建試験受験者層の職業別構成比】
職業 | 構成比 | 備考 |
ビジネスマン(宅建を活かせる業種)
【うち不動産業 33.2%、金融関係 8.8%、建設業 10.7%】 |
52.7% | 予想通り不動産業が多いですが、
金融・建設も目立ちます。 |
ビジネスマン(その他業種) | 23.6% | 転職狙いか自己啓発か? |
その他
【うち学生 9.8%、主婦 4.2%、その他 9.6%】 |
23.6% | 学生は就職、主婦はパート、
その他は無職や高齢者の方等か? |
※一般財団法人『不動産適正取引推進機構』平成27年度宅地建物取引士資格試験実施結果の概要より引用
(端数%を調整しているため、合計しても100%にはなりません。)
上記をざっと見る限りでも、受験目的や学習の仕方等、まるっきり違いますね。
不動産会社勤務のビジネスマンが実務経験もあり、優位なように思われますが、必ずしもそうとは言えません。
業務命令で仕方なく、受験させられる方々が多いと思われるからです。
不動産会社の場合、試験に合格すれば、会社からお祝い金や資格手当が支給されるのが普通です。
それでも残業が多く、休日も少なめな不動産会社勤務の営業担当だと、限られた時間で宅建の勉強をするよりも、営業成績を挙げた方がマシだと考える方が多いようです。
かといって、他の層でも、「マークシートで四択だから」「せっかく本を買ったから」などの理由で、運狙いや記念で受験をされる方も多く目立ちます。それに確かに四択ですが、最近では「4つの中から、正解がいくつあるか選びなさい」というような、個数選択の問題も目立ち、さらに運では狙いにくくなっています。
また先日の試験(平成27年)の申込者数は243,199名ですが、実際の受験者数は194,926名です。
実に20%もの方が受験していません。
やむを得ない事情の方も大勢いるとは思われますが、受験料の7,000円を捨てても受験したくない、又は無駄だ面倒くさいと思っている方も多いようです。
そのような方々を競争相手に入れずに、ある程度学習を行った方々で実質的な合格率を出すとすると、30~50%近くはいくのではないか?とする予測もあります。
私ごとになりますが、当時法学部で民法を1年間学習しており、さらにWスクールで、宅建講座に週2回(5ヶ月ほど)通いました。
結果は43点だったと記憶しています。
20年以上も前なので現在とは難易度も違うでしょう。
また、忙しいビジネスマンと、ある程度その分野を学習している学生ではアドバンテージが決定的に異なります。
しかし、弁護士や司法書士、税理士等、多くの方々が人生をかけて受験する国家資格に比べ、宅建士の試験はそこまで深刻とは思えません。
分野をやり残すこと無く、効率的な方法で基礎学習を積み重ねた上で、過去問や模試を受けて問題そのものに慣れれば、実際の合格率よりはるかに高い確率を引き寄せられるものと思います。
結論として、勉強していない方にとっては難関(当然ですが)、ある程度勉強した方にとっては、十分合格を狙える資格ということになります。
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